世界で1番愛してる


「涼太くんはね、君といる時はすごく嬉しそうなんだよ。
シズちゃんを本当に好きなのは俺にもわかる。

だからね…、シズちゃんと出かける事で彼に悔いが残らないなら俺は彼の気持ちを汲んでやりたいんだ。」


真っ白な廊下に溶けて消える言葉は私には破壊力バツグンだった。


――…先生、それって…私の質問の答えなんだよね?



「今の涼太くんを外出させるのはかなり危険なんだけど…

それでも彼が望むならそれを叶えてやりたい。

医者としてじゃなくて、涼太くんと同じ男として。」


医者としての言葉じゃなくて、一人の人…河内彬としての言葉だったんだね。





ねぇ、涼太。

涼太は幸せ者だね。


涼太はいろんな人に愛してもらえてるよ?


友達にも、家族にも、先生にも、

もちろん私にも…。





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