Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
「な、何だあれは!」
空に飛びたった僕を見つけた人間が、ライトを当てた。
突然の光に目をしばたたかせながら、僕は、凛花に向かって、一直線に、飛んでゆく。
「りんかあぁぁ!」
僕の叫び声に、凛花が、こちらを見た。
大きな目が、更に大きく見開く。
凛花にとっては、自分を狙う化け物の種類が違うだけで、状況は、全く、変わってないはすだった。
それでも名前を呼んだだけ、僕の方がまだマシだったのか。
伸ばした手に近づこうと、努力してくれたように見える。
僕は、一度大きく上昇すると、欠けた月を背にして化け物達の中に突っ込んだ。
ば…ばばばばっ!
低空飛行で化け物達をなぎ倒し、なぎ倒し、なぎ倒す。
驚いた化け物が、自分の身をかばって凛花を離したのを僕は、見逃さなかった。
凛花をさらって、僕は、再び急上昇を試みる。