Holy×Kiss~闇の皇子より愛を込めて~【吸血鬼伝説】
 

「………悪かった」



 涙に濡れた凛花に、僕は、誓った。

「もう二度と、こんな風にはお前を触らない………」


「残月の所へ、連れて行ってくれる?」

 感情が、散々に乱れ、もうろうとなっているだろう、凛花。

 それでも、彼女の望みは、たった一つだけだった。




 残月を、助けにゆくことだけ。

 悲しいほど一途な願いだけだった。



「ああ」

 そうだね。

 十分以上に対価はもらったから。



「僕が必ず、連れて行ってあげる」




< 212 / 298 >

この作品をシェア

pagetop