青蝶夢 *Ⅱ*
「ヨシノ」

私の大きな声に振り返る
貴方は、とても驚いていた。

私は、立ち尽くす

貴方へと駆け寄り

貴方の肩に両腕を回して
抱きついて、耳元で
何度も、何度も謝り続けた。

今までのこと

全てを許してほしい。

「ごめん

 ごめんね

 ごめんなさい

 ごめん・・・」

貴方の唇が、私の唇に
触れたかと思うと、一瞬
で離れてしまった。

貴方の唇が動いた。

「あっ、触れちゃった」

右側の口角を上げて
意味ありげに、微笑む貴方。
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