青蝶夢 *Ⅱ*
「イヤー」

私は手を伸ばし目覚まし時計を
手に取って、窓ガラスに
目掛けて投げた。

ガラスが割れる音が、響く。

その音に気づいた母は
部屋のドアを開ける。

「ヒイロ、どうしたの?
 何かあった・・・
 あなた、どうしてここに」

義父の行為を目撃した母。

「あなたって人は・・・
 
 ヒイロから放れて
 今すぐ、ここから出て行って
 さもないと、警察を呼ぶわ」

義父は、何も言わずに部屋を
出て、この家からも出て行った

「ヒイロ、大丈夫?」

俯き、震える私を、母は強く
抱き寄せた。
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