青蝶夢 *Ⅱ*
芳野は、二日酔いの頭痛に
耐えながら、秘色を迎えに
行く為に、エレベーターを
降りた。

『ヒイロを救えるのは俺だけ』
 
早く、秘色の元へ

芳野の行く手を阻むように

携帯電話の着信音が

鳴り響く・・・

秘色が眠る、部屋のドアを
開け放つ音、母の声。

「ヒイロ、ヒイロ
 起きなさい」

母に起こされて、目覚める私。

「今すぐ、用意をしなさい
 フルヤさんが
 迎えに来てくれるから
 彼と一緒に、貴女が今
 居るべき場所へ帰りなさい」

寝起きの私は、母が言ってる
意味が、よく分からない。

芳野が・・・来るの?
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