一途なオリオン座
「なんなのアイツら・・・」

 私の声に気付いた希はふとまわりをみわたした。これでもかと言わんばかりに感じる視線。

「アイツら・・・」

「・・・やっぱり原因は君ですかっ・・・」

「いや・・まぁそうなんだけどさぁ・・・」

 
思った以上に人数が多かったのだろうか。少し笑いの混じった表情で彼らをじっとみつめていた。

「で・・・結局何なのアイツら・・・」

「いや・・・まぁ・・・」

「はっきり言う!!」

「え・・・んとじゃあ・・・」

「だから・・」

「俺と付き合って下さい!!」


「・・・はぁっっ!?」

 目の前にあるのはこれまた丁寧に下げられた希の頭で・・・。
希の大きな声で、さっきとは比べ物にならないほどの視線をくらった。ってかもうクラス全員・・・

「ちょっっ・・・えっはぁ!?」

 驚いた私はもうまともに話せない状態で・・・。そんな私の気持ちを察したのか、希はゆっくりと顔を上げた。

「いや・・・だから・・・その・・・」

「いいよ・・・」

「へっ?」

「だからぁ・・・付き合ってもいいって言ってんの!!」

「・・・マジ?」

「もうだから・・」

「よっっしゃぁぁぁー!!」

 希の声でクラスの男子も一斉に騒ぎ出した。

「ちょっっ!!希!!」

 
 相咲琉愛(るあ)
クラス中に歓迎され、人生初の彼氏が出来ました。
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