リンク
×月×日
好きな人がいました。
あの人は今日、最初から存在などしなかったかのようにいなくなってしまいました。
私はあの人に視線を向けたけれど、優しい視線は返ってきません。
私はあの人に微笑みかけたけれど、微笑み返していてはくれません。
私はあの人に手を伸ばしたけれど、手を伸ばし返していてはくれませんでした。
叶わない恋だと知っているのです。
私は少し泣きました。
そうすればあの人も、少し泣くだけで済むような気がしたからです。
それからもう一度視線を渡して、好きでした、と、呟いてみました。
あの人の代わりに、割れた鏡の破片が黙るだけでした。