【完】トリプルスレット
「ハア・・・・・・」


内野コーチはホカホカと湯気があがる肉まんを頬張りながらため息をついた。


「どうしたんですか?」


「結局おごられたの肉まんじゃん」


「贅沢ですよ。私は満足です」


雪がシンシンと振る外を、車の中で眺めながら、私はホッコリと暖かい肉まんをかじった。


「ハア・・・・・・」


「内野コーチ・・・ため息止まりませんね」


「あー・・・うん・・・行くぞ」


内野コーチは残りの肉まんをパクっと口の中に放り込むと、車を走らせた。


運転する内野コーチの横顔。

もういつものツンとした顔に戻っちゃってる。


「内野コーチ。バスケ楽しかったですか?」


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