【完】トリプルスレット
2クオーター。
「8番オッケー!」
ディフェンスが変わったことで、少し戸惑いを見せる相手だが、8番は落ち着いていた。
周りをゆっくり確認すると、タンタンとゆっくりドリブルをしながら前へ少しずつ進んできた。
私はゆっくりと腰を落としながら、ついていく。
内野コーチとの一対一を思い出すんだ。
目を見て、ドリブルのスピードを耳で感じて、足の向いている方向も見て……。
不思議だな。
試合中なのに、ワクワクしている自分がいる。
タン、タン、タン……
どっち……?
8番の目線は右に、左に様々なところを見ていてどう攻めたいと思っているのかがまだ定まらない。
そろそろ5秒経つ。
パッ
その瞬間、8番はボールを持って、前へ一歩飛んだ。