黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅰ

力試し◇理人視点








「足止めよろしく」






紅蓮組に到着。

中に入ったら、何故か今いないはずの暁たちがいて……。


ここで時間を食いたくないと思った、僕の相棒であり親友の口から出てきたのが、これ。



なんで僕が足止め?

そんなの組みの誰かに任せちゃえばいいじゃん。


僕だって話し合いの場に参加したいのに。



でも、そういうんだから、月夜にだって考えがあるってことはわかるから。

…断るなんて出来ない。


僕を残し、八木原を連れて行ってしまった。





「つっくん、ちょっと待っ………!」


「サッキーたちさ?
少し、僕とお話ししよっか」





いいよ、って言った以上足止めしなきゃね。


でもね?
やっぱり僕も行きたかったんだ。

だから、ちょーっと。
僕機嫌悪いみたい。


機嫌悪いのを隠すために、僕の中じゃしっかり笑ったつもりだったんだけど。



僕の笑顔を見た瞬間固まった暁たちを見ると…、うん、バレバレだったみたい。





「廊下で話すのもあれでしょ?
暁、空き部屋に案内してよ。
……あ、ごめんね。
今僕、機嫌悪いから」


「……この部屋でいいか」





暁が指さしたのは、さっき暁たちが出てきた部屋だった。


中に入ると、入り口は襖で和風なのに。

床はフローリングで、モノトーンで纏められた部屋。


綺麗に片づけられていて、埃1つない。



勉強机の上には、青龍のみんなと撮った写真が入った写真たてが。







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