黒蝶‐総長♀×総長♂‐ Ⅰ
部屋の中でタイマンなんか出来ないから、庭に移動した僕たち。
尚も反対し続ける、暁と航太、海翔を除く三人を無視して航太と一定の距離を保ち、向かい合った。
普段優しい面持ちをした航太だけど、喧嘩となるとその面持ちも消える。
航太がなんで自ら名乗り出てきたかは、……たぶん。
僕と同じ目的。
……僕の力を試すため。
暁もそれを知りたくて了承したんだろう。
いくら月夜のことを知りたいからって、友達とタイマン張り合うっていうのは、それなりに理由がないと、ね。
お互い、力試しってわけか。
だったら、本気で航太は来ない。
けど、本気を出してくれないと困る。
なら、本気を出させるしかない。
ちょっと、汚いやり方だけど。
「ねえ、青龍のみんなってさ。
……昔すっごい荒れまくって、サツにお世話になったことまであるんだよね」
「………っ!」
「殺人未遂だっけ?
くだらない理由で人を殺しかけた。
まあ、運よくその人たちは死ななかったけど」
「な、っんで……っ!!」
「殺人未遂までしたのに、なんで正統派チームに入ってんの?
しかもトップ、だなんて」
向こうを怒らせるしか方法はない。
殺人未遂、ってのは本当。
藍が調べたんだから間違いはない。
それにほら、青龍のみんなの顔からして本当だよ。
顔面蒼白。
話していくうちに、表情が歪んでいく。
拳を強く握り締め、震えてる。