年上王子のお嫁さん☆


やっとのことで自分のデスクに戻ると、菊池さんに笑われた。




「髪の毛、ボサボサよ?
ネクタイも曲がってるわ。」


「え……ぁ。」



ふと窓ガラスを見ると、寝起きにスーツを着た…というような

情けない姿。




「ちょっと…お手洗い行ってきます。」


「はいはい、夫たるものいつでもカッコよくいなきゃね。」



ニヤニヤしながらそう言う彼女に、愛想笑いをしてからお手洗いに行った。


なんでこんなボサボサに……






「槇原くん!!」




トイレに入ろうとしたところで、聞いたことのある声が。

振り返ると、息を切らした安藤さんがいた。


花火大会以来、あまり会っていなかったな。




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