『クルマとタバコとカンコーヒーと…』【リアル物語ケータイ小説版】
第160話




 白い景色から霧が晴れるように、うっすらと目の前に色が見え始める。


ボンヤリと聞こえてくる機械音。全身に力が入らず動けない。

 
瞼をゆっくりと開いたとき、傍に母親が見える。

 

手術室に運ばれた記憶が蘇る。

(俺は・・・手術を・・・受けたのか・・・・)口には呼吸器が突っ込まれ話すことができない。



右手を掴む感触にかろうじて動く指で答えた。



「昭太郎・・終わったのよ・・・」母親の涙声が聞こえる。

(・・・手術・・・は・・できたのか・・・)うつろに思う昭太郎。




「手術・・・成功したのよ・・・」長いこと待っていた言葉が届けられた瞬間。


これが夢なのかどうか判断することもできないうちに・・・瞼が落ちた・・・・。


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