左肩の重み~美香story~
先週来たときに食べていたアイスを冷凍庫から見つけて、それを取り出し真人の隣に座った。


カップのアイスを一気に食べるのは苦手。


途中で飽きてしまうし、それにおいしいものはチョビチョビ食べたいから。


「幸せそうだな」


隣に座ってアイスを頬張る私に、真人がそう言った。


「うん。幸せ」


アイスを食べてることも幸せ。


それから、多分こうして二人で居ることも幸せなんだと思う。


私はテレビを見て、その隣で真人が雑誌を読んでる。


一緒に居るのに、違うことをしてる。


そんなの、全然気にならない。


ただ、同じ空間に居て、同じ空気を味わっていればそれで十分。


はじめは、二人でいることすら緊張してた。


でも慣れてしまった今は、この空間がなにより落ち着く。


しゃべらなくてもいい環境は、私を眠りの世界に誘う。
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