兎心の宝箱【短編集】
「ねぇ、夏美。今日は、流石に部活ないんでしょ?」

 中間試験が近づいてきたある日の放課後、友達の冬子が話し掛けてきた。

「あぁ…うん。でも家に帰って勉強しようかな?って。ほら、私部活で泳いでばっかりで、授業中なんか寝てばっかだからさ」

 えーじゃあさ一緒に勉強しようよー、と冬子が腕に絡みついてくる。

「ごめんね、でも私バカだから邪魔になるよ」

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