いちごの味
「詩倶羅は?」と、私は聞いてみた。


「・・・いると思う??」詩倶羅は
少し嬉しそうに言った。



嬉しそうなのと、そう聞くって言うことは
いると言うことだろう。



「いると思う!」私は自信ありげに答えた。


「ぇへへ、正解。」詩倶羅は照れながら
言った。



「えっ誰!??」私は興奮して、大声を出して
しまった。



すると、いっせいに周りの視線が私に向いた。



先生が私を睨みつけている。私は、
「す・・・すいません・・・。」
と、ペコペコと頭をさげた。



すると近くにいた1人の男子が、
「もー、KYかよぉー!」と大声で言ってきた。



私はムッとして、「黙れ!!お前も同じやし!」
と言った。



すると先生が、
「お願いだから静かにして・・・。」
と言ってきた。



「「はぁーい。」」と2人で返事をした。



そして私は詩倶羅と話を続けた。



「で、誰なの?」



「えーと・・・2年生、かな?」
詩倶羅が頬をピンクにして答えた。



「何て言う人?」



「・・・矢杖・・麗雨、?」



「へー!?そうなんだぁ。」
その矢杖麗雨(やづえれう)
と言う人は、私も知っている。



「絶対誰にも言わないでね、琉柚。」



「うん、わかってるよ。」
自慢ではないが、私は人に言わないでって
言われたことは、ほとんど言ったことがないのだ。



「ねぇ琉柚、協力してくれない?」



「もちろんじゃん!出来る限り
協力するよ。」



「ありがとぉ!めっちゃうれしい。」



<<キーンコーンカーンコーン>>
と、そこでチャイムがなった。



「はいー、終了ー。」
先生がそう言って礼をして
理科室を出た。
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