愛してるの言葉だけで。



私は最近、新しく友達ができました。


新井くん、聖也くん…


それから、斎藤未央ちゃんという私の前の席の子。


未央ちゃんが「夏希ちゃん、友達になろうっ?」と言ってきたことが始まり。


それはそれは、もう…嬉しかった。


言葉にならないぐらい。



そして、あれから新井くんは合唱コンクールの練習にもちゃんと参加していて、聖也くん達と仲良くなったみたいだった。



そんな新井くんを見て私はホッとしたような、なんか嬉しい気持ちになった。



「ちゃんと救えたんだな!」


「みたいだね…」



私は机に置いた日記帳にペンを滑らせながら幸信に答えた。


幸信が選んでくれた日記帳…


"あの日"からちゃんと毎日欠かさず書いてるんだよ。



「なになに…」


「あっ!ちょっと見ないでよ」



幸信は「ちょっとぐらいいいじゃん」と言ってすねてたけど、絶対に幸信だけには見せない。



だって…毎日毎日、絶対に一回は幸信の名前を書いてるんだもん。



そんなの…

恥ずかしいに決まってるじゃん。



< 57 / 208 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop