リモート式恋愛感情【BL】
頭のアンテナのせいだ、阿東と飯を食べることになるとは……。

「……。」

お互いに話すことが無い。
向かい合わせで弁当を頬張る。


「ハル君?」

沈黙に耐え兼ねた阿東が申し訳なさそうに尋ねた。


「……。」

黙々と食事を続ける。


「口に合うかな?」


「玄米と沢庵の歯ごたえ、噛むと味わいが深まり、塩鮭をも主食を進ませる。柔らかく煮詰めた南瓜の煮物は蜂蜜のほのかな甘さをより引き立てた、辛子蓮根は味覚をより鋭敏にさせる、小松菜の副菜は口直しに良い。出汁巻き卵は上品に味付けされ、桜エビと枝豆の天麩羅は旬で旨味成分がよく出ていた。」

アンテナのせいだ、止まらない。


「ありがとう。」

照れて、阿東が玄米を零した。
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