続・恋する心は“あなた”限定
放課後になると、私はバタバタと慌ただしく、帰り支度を済ませた。
待ち遠しく感じている時ほど時間が経つのが遅い気がして、ようやく放課後になった気分だ。
カバンを持って立ち上がって理緒を見ると、女の子たちの輪に、あっという間に囲まれていた。
さすが理緒…。
女の子たちからの人気は絶えないよね…。
たくさんの女の子たちの輪の中を割って、理緒に堂々と声を掛ける勇気は出なくて…
私は一足先に教室を出た。
前みたいに、先に行って保健室で待っていよう…。
スタスタと廊下を歩いていた時だった。
「包海さん。」