半熟cherry
その瞬間。
郁と私の視線が絡まる。
なんで寂しいなんて思ったんだろう。
郁が離れた瞬間。
スッと空気が冷たくなった。
“離れたくない”って。
思った自分が、いた……。
「…それ、反則デショ…」
郁は。
口元を右手で隠して。
私から視線を外した。
『…郁…?』
あれ?
顔、赤い…?
郁に手を伸ばそうとした。
その時。
グイッ。
郁に腕を引っ張られた。
そしてそのまま。
郁の胸に収まってしまった。