ヒマリュウⅠ 〜03.18-SS【幸せいっぱい】追加〜
「……は?」
思わず口にした否定の言葉に、案の定舞からは"信じられない"みたいな視線を向けられる。
いや、そんな目を向けられても…知らないものは知らないんだから…ねぇ?
「…はぁ…まさか知らないとはね」
まぁいいわ!
言うなり、銀のボウルを取り出すと、「言うより実践ね」と(何故か家にあった)板チョコを包丁で薄く刻んで、その銀のボウルへと入れた。
入れて、その包丁をあたしに渡してきた。
それを受け取って、見様見真似で切ってみる。と…――
「――…なんだ、出来るじゃない」
『……出来たっぽい!』
今まで包丁の使い方さえままならなかったはずなのに、今あたしの前には
――…包丁で削ったチョコの山。