俺様先生と秘密の授業【完全版】
 とても苦しげな、兄貴の告白に。

 あたしが、出来ることなんて、何も無いのが、悲しい。



 もはや。

 布団の中で完全に目をさまし。

 どきどきしているあたしのことなんて知らずに。

 兄貴は、気を取り直すように首を振ると。

 胸倉を掴んでいた直斗を、ぽい、と捨てるように解放して、直斗に言った。


「……お前の方こそ、どうなんだよ!」

 兄貴に、喉を締め付けられて、軽く咳き込んでいた直斗が、顔を上げた。

「……俺?」

「とぼけるな!
 オレに言った、お前のセリフ、丸ごと返してやる!
 お前だって、愛莉のことが好きなはずだ!」

 ……え?

 と、あたしならもう一度聞き返したい兄貴のセリフに。

 直斗は、淡々と答えた。

「何を言ってるんだか。
 それこそ、愛莉は俺の妹の枠から一歩も出たことが無い」

「直斗」

「俺の好みは、ガキじゃない。
 もっと胸とか立派な大人で。
 単車にも自分で乗れるヤツが良い。
 ……そうだな。
 四年前に沈黙の狼で、トップ4ー4(フォー、フォー)を張ってた早紀(さき)みたいな……」

「直斗……!!」

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