俺様先生と秘密の授業【完全版】
 職員駐車場は、あっという間に、大騒ぎになった。

 同僚の先生が、殴られた事によって、ようやくヒト事じゃなくなったらしい。

 物陰に隠れていた先生たちは、早瀬倉先生を助けるべく、どやどやと物陰から出て来た。

 殴った狼の方も、仲間のヒト達が、さっと脇を固めて、警戒している。

 先生のうち一人が、携帯電話を取り出しているところを見ると。

 警察に電話する、と言っているのかもしれない。

 それを止めようとしているのか。

 殴り飛ばされた早瀬倉先生は、殴られた自分の頬を抑えて、他の先生に向かって何か、どなっている。

 そして、あたしは。

 沈黙の狼と、先生の間に割って入ろうと。

 勢いよく、ファミレスの席を立って……思いなおした。

 元気が良かった分、力が抜けて、元の席にへたへたと座り込む。

 怖かった……わけじゃない。

 ……だって。
 
 あたしがこのまま皆の前に、出ていってしまったら。

 先生のやってくれたことが、全部無駄になっちゃうんだもん……!
 
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