俺様先生と秘密の授業【完全版】
 言って東屋さんは、ぷんぷんと、頬を膨らませた。

「疾風は、わたしのお友達よ!」

「男女の間に友情が芽生えるのか?」

 ……芽生えないと思っている派らしい吉住さんに、東屋さんは言った。

「最初に、天竜の家に行った時……あたし、勘違いしてたのよね。
 女の子の格好をしている疾風を見て……女の子だと」

「……」

「それで、あたし……同性のお友達が、出来たつもりで、嬉しかったのよ。
 今まで、わたしにお友達なんて、出来なかったから」

 暴力団の組長の女で……さらに。

 自分もまた暴走族の総長なんて張ってるのがバレたら。

 女の子は怖がって、よりつかない。

 岸君が、男子だと判っても、同性の親友のつもりで付き合ってた。

 なんて、東屋さんは言った。

 そうか……東屋さんの思い……あたし、判るような、気がする。

 実際には、闇のお仕事と関わってないはずのあたしだって。

 家が、そうなだけで、どれだけ苦労したろう。

 東屋さんに、妙な親近感を覚えて、あたし、岸君の手を祈るような気持ちで取った。

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