そらからのてがみ
卒業式までの数週間

君はいつもどおりだった

いつもどおり
他愛のない話をして

いつもどおり
笑って

いつもどおり
すねて……また笑って

あの日のことを
一度だけ聞いてみた

けれど
答えはなかった

そんなことあったっけ
と
小さく首を傾げる

あれは
君にとって
大きな事ではなかったのかもしれない

普通に考えても
そんなに大きな事ではないと思う

僕が一人で
大事にしてしまっただけなのだろうか……

あのときの
いつもと違った
あの瞬間

それが
僕の勘違いであったのならば
それはそれでいいんだろう

小さな変化は
日々の流れの中に
あっという間にさらわれてしまった

それが
後の
大きなさざ波になることを知らないままに
< 9 / 10 >

この作品をシェア

pagetop