reverse【完】
一緒に飲めることが嬉しくて

今日遅くなってしまった理由を美咲に話している途中で


『…ねぇ』


それまで黙って聞いていた美咲が口を開いた



『どした?』と聞く俺に答えることなく、そっとソファーから腰を上げた美咲をみて、初めて何かおかしいと気づいた


俺に背を向けたまま
黙って俯いている美咲の背中が、少し震えているように見えた


『見ればわかるよ』と、手渡された茶色い封筒を
開けた時



「………!!!」


エミとのことが瞬時に浮かび
頭が真っ白になった



そして、チビ達の顔が浮かび
頭を鈍器で殴られたような気がした



俺の手の上には


妻の欄には既に美咲が綺麗な字で記してある【離婚届】















< 34 / 71 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop