reverse【完】
「もう…ダメなのかな」


情けないと充分過ぎるほど自覚した俺には、情けなさすぎる言葉しか紡げない


「……子供は連れてく」


やり直す…なんて選択肢が美咲の中にないこと


最近、遊んであげていないチビ達とも会えなくなること



俺の目の前の世界が
自然と涙で歪んでいく…



「言われたの…」



そう言った美咲が
初めて悲しそうな顔をした



「え…何を?…誰に?」



一度口を閉じ
震える声で美咲は言った






「何も知らず、聡さんを信じて待ってるあなたは、惨めですね」







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