千景くんは幼なじみ
そ…だよね。

寿太郎くんは、将来有望な子なんだもん。

こんな所で恋愛に立ち止まってるワケにいかないってば。

フツーに、野球と関係ない所で…女友達が欲しかったダケ

なんだよねぇ?








「あは…」

「ハハ…」

二人で微妙な空気で笑い合う。

そしたら、寿太郎くんが私の携帯をまた指差した。




「電話、かけ直さなくていい?」

「そーだった。着信、千景くんからでぇ…」

そこまで言うと、寿太郎くんが二階を指差す。

「あぁ…さっき上にいたけど」


…へっ?

上って

…まさか。







「何か…あいつ、窓から入って来てたけど」

ちょっと、早く教えてよぉ~!

喋ってる途中の寿太郎くんを置いて、今度は二階へ駆け上がる。







サイアク!

ちーちゃんと穂積、しばらく二人きりじゃん~。







自分ちの階段をこんなに長く感じた事…なかったよぉ。

必死で階段を上り、部屋に入る。






「結愛、おっそ!」

遅って、呼ばれてないしっ。

ちーちゃんはいつものように、私のイスに座っていた。






そう…

手に、見慣れない物を持って…。





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