千景くんは幼なじみ
「なー、真中との待ち合わせって…いつ?」

ついさっきまで、にこにこしていた寿太郎くんだけど、不意に真面目な顔になる。

いつ…っていうか、トイレに行って戻って来ないんだよぉ。

「一緒に来たんだよね。だから、私…そろそろ」

私がそう言うと、彼は苦笑いしてる。

「あ、違う。真中とちょっと話できたらなーって思っただけ」

「話って…?」

良からぬ事を考えてしまう。

「あ、そんな結愛が困るよーな話じゃないから。オレさー、何で真中に嫌われてんだろってずっと考えてたんだけど…」

うわ、ちーちゃんが寿太郎くんを嫌ってるのって、本人も知ってたんだぁ。

「寿太郎くんに、直接ひどい事…言った?ごめんね」

「いや。原因は、オレ。何かさ、真中をガッカリさせたみたいで」

ちーちゃんを、ガッカリ?






「そんなぁ、寿太郎くんがそんな事」

ちーちゃんの事だから、寿太郎くんが悪くなくても怒ってそうだし。

そんな事を思っていると…。

「こないだ結愛がうちの練習観に来たろ?あの後、結愛が生田出身って丸ちゃんに話してたらさ、そっから真中の話になって…」


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