千景くんは幼なじみ
「結愛の誕生日にさ、ほら…キスしたじゃん」

あ…。

あれは、やっぱり、本当にそうだったんだ!

「ちーちゃん、覚えててくれたの!?」

「…たりめーだろ。ったく、どんな思いでキスしたと思ってんだよ。

あれもな、見られててー。そっとしてくれればいいものを…うちの親はぁ」

「ちーちゃんのお母さんに見られてたの~っ!?」

嘘ぉ。

きゃーっ…恥ずかしいっ。

ちーちゃんは、そんな私を見て苦笑いしてる。

おばさん、本当にほっておいて欲しかった。

そしたら、ちーちゃんは変な意地を張らず…もう少し私に対して素直だったかも知れないよ?

だって。

やましい事した後に、

『あんたのドーナツの砂糖、結愛ちゃんの口についてたわよ!

証拠が残らないように、ちゃんとナメてあげなきゃダメでしょー。あんたもまだまだね』

なんて、言われた日には。

もう二度と、こっそりキスなんてしないって

思っちゃうよ。





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