千景くんは幼なじみ
和奏くんはボンヤリした目で、つまんだチョコを机の上に置いた。

「これ、置いてくね。結愛ちゃんにあげるよ」




和奏くんを…

好きになる、チョコ?




「あは。じゃあ私も和奏くんをスキになる?」

あんな事言われた後だと、ちょっと恥ずかしいなぁ~。

はにかみながら言うと、案外和奏くんの返しはアッサリしていた。






「信じた?さっきの話。…ウソだよ」

和奏くんは、柔らかく微笑むと…

いつも穂積がやるみたいに、私の頭を上からクシャと軽く押さえつけ

そのまま教室を出て行った。






どこからウソで

どこからがホンネなの?






ミステリアス和奏くん…

和奏くんと穂積の関係は、ますますわからない。






和奏くんは

…私がちーちゃんを好きだって見抜いてたね。







しかも、

穂積と他人だったら良かったなんて。

…そんな悲しい事言わないでよ。







私は…

ちーちゃんと知り合えて

…一番身近な存在で




良かったと思ってるよ。







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