たからもの

はじまり

―春―


今日から新学期。

とうとう私も受験生だ。

そんなことを考えながらクラス表を見ていた。

「川瀬秋花…3組か。」

クラスを確認し、教室に行こうとしたその時!!

「えーっ!!秋花とクラス違うよお…。」

叫んだのは、去年同じクラスで1番仲良くしていた中尾華恋だった。

「華恋、しょうがないって。でも、隣だし?毎回会いに行くからっ♪」

「うんっ☆うちらずっと友達だもんね♪じゃあまたあとでー!!」

(あっさりしてるなあ…。)

と、思いつつも教室へ。

「あ。秋花やん!!」

声をかけてきたのは同じ部活の上村幸だった。

「あー!!幸ちゃん!!よろしくねー♪」

キーンコーンカーンコーン…♪

「はい!じゃあ席着いてー!!」

(やっぱり暁君とはクラス違っちゃったか…。)

ふっと窓の方に視線をやると宝と目があった。

にこっと笑顔を向けると笑い返してくれた。

吉江宝も同じ部活である。

だけど、幸ほど仲良くしていたわけではなかった。


クラスを見る限り面白そうなメンバーだ。

楽しい学校生活になりそう。
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