雑用部+α

山田はマイクを手に持って

「みなさん、最近地球温暖化とか何やら言われてますが―」


話続ける山田。

「いや、何だこの話」

「…チキンカレーとか…言ってますね」


「チキンカレーを完食するには、まずは与田久多尾文庫を読むことだ!!」


「…なんか何気に与田久多尾文庫の本を宣伝してるしな」


「単なる…自分が好きな本…ですよね」


「僕が一番オススメする本!!!いや、それは全部オススメだよ?でも敢えて紹介する本を限らせて貰った」


猿渡たちは遠くで言う
「…あいつ、自分の世界に入っちゃったな」

「…もう誰にも止められない…」


「フフフ…もしかして知ってる人も多いかもしれないが―」

そう言って、一冊の本をポケットから出した。

表紙には萌え系の女の子が描かれている

「これはいつも僕が持ち歩いている本でね…この表紙の女の子!!!この子は僕の彼女だ!!!」


「…意味がわかりません」

「………」


会場がざわざわと騒ぎ始めた

そして、気持ち悪いだのという声まで飛び交う

しかし山田は気にせず話を続ける

「この子の名は、石川萌美という。
おしとやか、そして語尾には『にゃ』と言う。あ、ここがポイントね。あだ名はもえもえ。とてもかわいいだろ?男子諸君、もえもえは僕の彼女だから誰もとったりしたらダメだから」


「もう完全に…だな」

「……そうですね。ああなったら…半日は喋ってますよ」

「止めるか」

「…そうですね…」


猿渡らは、山田の元へと向かう


「おい、山田」

「この子は昔からつらい目に遇っていて―」

「おい、山田」


「それでもひたすら前だけを見て―」


「ダメだ。よし、ウン子。やれ!!」


「わかりました」


そう言って、ウン子は回し蹴りを山田に食らわした


「ぐ…」

小さいうめき声をあげるとその場に倒れた。

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