高校生の事情
私、族の総長みたいー(泣


私は渋々、風呂場を出る。

「まどか、可愛いー」
…タ、タケル居たー。

「まどかちゃんかっこいいー」…。彩ちゃんまでー。

「あら~まどかちゃん、とっても似合うわ!」
…。似合うと言う言葉に内心、戸惑う私。

「お前、族の総長みたいや(笑)」
おい!涼!それはNGや!

私は皆が口々に発する言葉にツッコミをいれながら

タケルを眺めた。
遊園地でタケルに似たお猿さんのキーホルダーを買ったことをおもいだした。


ここじゃ、どこでみられているかわからん…。

よし、外で渡そう。
「タケル!一緒に外にでない?夜空をみたいんだ。」
と私がいう。

「「あはは(爆)」」
とタケル以外の皆が爆笑している。

何でや……。

「おい、タケルこの総長さんの願いを叶えてこい(笑)」
「誰が総長よ!!」

涼が笑いながら私を指差す

私はタケルの腕を掴むと無理矢理外に連れ出そうとした。

「おい!タケル!なんかあった時はその総長さんに助けてもらいなよ」

なんで私よ!!
と思いながらタケルと外にでた。

辺りは暗くて見えないけど稲穂の揺れる音や虫の声で田舎を感じさせる。

「タケル、無理矢理つれだしてごめんね?」
と私はタケルを見上げた。

「ううん、俺達も2人っきりになる時間が必要だもんね」
と無邪気な笑みで私に微笑む。
私はポケットに入れていたお猿さんのキーホルダーをタケルに渡した。


「タケルそっくりのお猿さん。目がパッチリしていて無邪気に笑う姿はまさにタケルそのものでしょ?」

「まどかが買ったの?」
と目をキラキラさせ天然発言をするタケルをみて
「他に誰がいるのよ」
と睨む私。タケルは笑いながらありがとうといってきた


私達は夜空を満喫して家に帰ろうとすると

「おい!やっと会いに来たぜ!!可憐。果たし状だ!!お前の伝説は今日で幕を閉じるのだ!!!」

と声がして、歩んでいた足を止めて声のするほうへ目を向ける。
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