きらい。だから好き。
振り向いたら、ハルがいた。


その時、思った。


──あたし今、ハルが来てくれて、安心してる──。



──だけど……どうしていいか分からない。

石田とあんな話をしたあとで、どんな顔していいか分からない……──


私は、闇雲に呟いた。


「……あたし帰る」

「はぁ!?」なんてハルが言うのも分かる。


ハルにとってみたら、今の私の言動なんて、意味不明だと思う。


だって、私が勝手にヤキモチ焼いてるだけなんだから。


「ごめん」


私はカバンを掴むと、走って学校を出た。


「待てよ、佐渡!!」







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