不思議病-フシギビョウ-は死に至る

合宿EX



初夏の厳しい日差しの下。

一ヶ月程前の集団宿泊を思い起こさせるようなでかいバッグを抱えながら立っている。

金曜日の朝十時の駅前。

オレたちはそこにいた。



なんでこんなことになっているのか。

皆目見当がつかない……わけではない。

数日前に、

『――誰が文芸部は合宿がないと言ったかね?』

キョウスケがいきなり言い出したことだ。

つまり、オレたち文芸部メンバー六人は合宿に行くため、駅前にそろっていた。



しかし、この文芸部はまともな部活ではない。

制服ではなく思い思いの服を着ているのもそれを象徴する一つと言える。



そのなかで、Yシャツにネクタイ姿のキョウスケが言った。

「諸君!そろっているかね!?」

もはやこのテンションにも慣れたと思っていたのだが、休日に堅苦しい格好をしているのには慣れていなかった。

とりあえずもっとラフな格好で来い。

あと。

「そろっているのは見たらわかるだろ」

「いや……本当にいるか確かめるために点呼を取ろう」

まずは、

「1!」

部長キョウスケ。

「2!」

副部長カナコ。

「3!」

サヤ。

「……4」

エイヤ……嫌そうだな。

オレも休日に呼び出されて嫌な思いをしているんだが。

「5!」

そして、リン。

「ろ」
「よし、全員いるようだね」

わかってたさ、こうなることくらい。


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