不思議病-フシギビョウ-は死に至る

六日目(新入部員歓迎会)



土曜日。

……寝ていたい。



ケータイを開いて、スケジュールを確認する。

『11:00 文芸部新入部員歓迎会 駅前集合』

時計を確認する。

バスの時間も考えると、今出るのがちょうどいい。

いまさらバックレることはできない。

リンと約束してしまった

ちきしょう。



オレは財布を乱暴にポケットに突っ込むと、家を出た。





いつものバス停。

そこに、私服で立っているというのは違和感があった。

これが、部活なのかもしれない。

……だろうか?



バスが来たので、乗り込む。

見ると、いつも通り。

「なんで一緒のバスなんだよ!」

いつも通りの席に、リンがいた。

上は生地が薄く長袖、下はスカート。
その色はコントラストがきつくない、薄い灰色と濃いグレーの組み合わせ。

リンらしい、清楚な雰囲気のコーディネートだった。

……本当はそこを言ってあげるべきなんだろうが、思わず突っ込みが先に出た。

「……同じ新入部員歓迎会に行くんだから、当たり前じゃないですか」

正論だ。

とにかく、落ち着いてオレはリンの前、いつもの席に座る。

そして、言い忘れたこと。

「リン、その服似合ってるな……」

と取り繕っておく。

「……らしくないですね」

いつも冗談を言っているオレではない。

リンは口でそういいながら――いつもの本で顔を隠した。

この反応をするということは、リンはまんざらでもないんだろうと思う。



というか、一緒なんだし、バスの時間を合わせる約束をしてもよかったよな気がする……。

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