たべちゃいたいほど、恋してる。
「…言っても…怒んない…?」
「事による」
「えぇえ!?」
「嘘。怒んねぇよ」
だから話してみろ、ともう一度頭を撫でてくれる龍之介に優衣は言いにくそうに視線を泳がせながら、少しずつ言葉を紡いでいく。
「あの、ね?昨日大上くんが家まで送ってくれたのをね、クラスの子が見てたみたいで…」
そこまで言うと漸く止まったはずの涙がまた優衣の瞳に姿を現した。
優衣は涙が零れぬよう、ゴシゴシと服の裾で涙を拭う。
「馬鹿、目腫れるからやめろ」
強く目元を擦る優衣の手を掴み外すと龍之介は壊れものに触れるような手つきでそっと優衣の涙を掬った。
その感触に堪えていたはずの涙は触れた龍之介の手を伝うように流れ落ちて。
「っ…大上く、とっ…付き合って、でしょって…言わっ、たの…」