たべちゃいたいほど、恋してる。
「…タケの奴が言ってたの…これかよ…」
龍之介の口から零れた言葉にそーっと目を開けば、そこにはまったく予想していなかった表情する龍之介がいた。
左手で優衣の頭を撫でながら、右手で自分の口元を隠す龍之介。
眉を寄せつつもその頬はほんのり赤みを帯びている。
「お、がみ…くん?」
地面と睨めっこしながら小さく唸っている龍之介に不安そうに声をかける優衣。
「あー…ちょっと待てな?」
参った…と呟き龍之介はガシガシと頭を掻くと、頬に赤を差したまま優衣に向き直った。
困惑を浮かべる龍之介の視線と戸惑いを隠せない優衣の視線。
重なりあった視線に優衣は背筋を伸ばし姿勢を正す。
「あー…と、その…悪かったな。俺の配慮が足りなくて、そんな噂たっちまって」