たべちゃいたいほど、恋してる。
そして
「り、龍之介、くん…」
恥ずかしさに頬を染め、それでも真っすぐに紡いだ名前。
緊張のせいか優衣の心臓はいつもの三割増しの速さで鼓動を奏でる。
「…ん、よくできました。龍でいい。長いだろ、俺の名前」
僅かに震えていたその声に龍之介の唇は嬉しそうに弧を描いて。
ご褒美だとばかりに、龍之介の手のひらは優衣の頭を撫でた。
「龍、くん…?」
「おう。何?優衣」
その手に擦りより恐る恐る名前を呼べば、返されたのはあたかも最初からその呼び方であったかのように自然な響きをもった優衣の名前。