たべちゃいたいほど、恋してる。
ぽつりぽつりと零れてくる言葉たち。
その時、前に見た優衣の体中にあった傷と電気の消えた真っ暗な家が龍之介の脳裏を掠めた。
それに小さく軋む体の奥。
ゆっくりではあるが確実に紡がれていくそれを、呼吸一つ落とさないように黙って聞き入れる龍之介。
「きょ、う…っ…遊園地に、おと…さ…が…いて…」
乾いたはずの瞳に再びうっすらと浮かび始めた涙。
しかし、どれだけ目が赤くなろうと声が上ずろうとも優衣がそれを零すことはない。
「でね…っ一緒に…知らない、男の子と…女の人が…!」
そこまで言うと、優衣はぐっと眉間にしわを寄せきつく唇を噛み締めた。