*写真屋の恋*



考えてなかった訳じゃない。


夢を持たなかった訳じゃない。

遠い昔に、私にはそんな行動力と度胸はないと諦めた。

夢にすらなってなかった甘い想像。




正直すごく魅力的。


心臓がすごくドキドキしてる。


何だろう。


チャンスを掴む事が出来る。って言ってるけど、


すでに今、目の前に。


チャンスが私をその切れ長な目で見つめている気がする。


「…具体的には、アシスタントって何をするんですか?」


恐る恐る、永瀬渡に訪ねる。

腕組みをしたまま、彼はキョトンとした顔して答えた。


「僕のアシスト。」


「いやだから具体的に…」


「んー例えば今みたいにここの管理もそうだし、お客が来たときお茶とかも出して欲しいなぁ。後、僕が撮影したデータを君に焼いてもらいたいし、色んなところに撮影に行くときに付いてきてもらって準備やら手配やらなんやら…まぁようは雑用だよね。」


…やっぱり世話係じゃん!!


「一番重要なのは、僕の変わりにデータを写真にしてもらう作業。見つけたんだ、柏井ゆな君、君をね。」


「…えっ?」


「三ヶ月で分かった。僕のイメージに、こんなに感性があう子は君しかいないよ。」



惚れ惚れした瞳で、あの綺麗な顔に見つめられ、ボッと顔が赤くなる。


『見つけたんだ』


『君しかいないよ』







キャーッ!!!!////





ななな何言ってるのこの人ー!////



ヤバいヤバいヤバいっ頬の火照りが治んない!


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