*写真屋の恋*
スタジオの端に目をやると、腕を組んだ30代ぐらいのキャリアウーマンみたいな綺麗な『おばさん』が立っていた。
何故か厳しい目でこちらを見ている。
ちょ、ちょっとーっ
そんなとこで腕組みしてないでなだめるかなんとかしてくださーい!!
「……ママっ…うわーんっ!!」
またお母さんの事を思い出したのか、大泣きが再発。
うおおおっ!どうしたらいいんだ!
「あっ!!ヤマト君!ヤマト君!」
「えぐっ…ふぇぐっ…ふ??…」
「お姉ちゃん、ヤマト君のママ見つけたよ!」
「…っえ!ど…どこ?!」
「ここ、ここ!!」
そう言って一眼レフのレンズを指差す。
「この中にさっきママ居たよ~!」
「…えっ!~見えないよ!」
「あれ~?あぁ!そういえば泣いてる子には見えないんだよ~!」
え!とヤマト君は目をまん丸くして、…泣き止んだ!