KEEP OUT!
「早く…会いたいな…」
切なくつぶやき、そばに立っている塀に寄りかかる。
ぼお…っとしていると近くの高校からチャイムが鳴り響く。
「…う…あの高校…今日から通うのにな…」
――音宮高校二年D組。
本日、上京してきた雛姫にとって…
初めの印象がどれだけ大切かとっくに分かりきってた。
―――転校なんて初めてじゃないけど…
晴也を置いて自分ひとりで行くこともできたが…
どうにも心細いのだ。とてつもなく。
誰もいない世界に取り残されていた気がしたから。