愛、シテあげる。*完*
翌朝。







「真央さん」




「ん…む」


眠い。
ちょ、誰?起きるにはまだ早くない?今何時…。
ぼんやりする頭で、つらつらと考える。

「朝です。起きてください」


「ぃ…や」


「もう7時ですよ」

7時とか…早いよ~。学校じゃないんだから、もう少しくらいいいでしょ~。

ぐるりと寝返りを打ち、夢の中へ戻ろうとする。

「ふむ。困りましたね」




知~らね。
あ、もうちょっとで戻れそう。
行ける行ける…




……zzZ









「勿体無いですね」



zzZ







「朝御飯、余らせちゃいますね」






zzZ










「せっかく、一流のシェフが用意したのに」







…zzZ?








「フワフワのホットケーキに、カナダ産のメープルシロップがかかってるのとか…」







…ピク






「100g10万円の超高級ステーキとか…」








…ピクピクッ








「起きないなら、僕が食べちゃっていいですね、よし」








…………。













……やはり食欲には勝てません。



ガバァッ


「おはよーっす!」


朝御飯は渡さない!


「ほぅ…。やっぱり、朝から食べれる人でしたか」



僕の読みが当たりましたね、なんて、こっそりほくそ笑む蓮に私は気づかなかった。








(単純で可愛らしいですね)




「……ちょっと蓮。朝っぱらから変な笑いやめてくれない?」


「はいはい(ニヤリ」


「……;」



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