私、不良です

「一日一日を大切にしよう」

スキンヘッドは呟いた。

実は私のウォークマンは音量1。

「…なんて、ムリだろ」

吐き捨てるような声を
背中で受け止める。


「俺なんて死んだっていい」


曲が変わると同時に
音量を上げる。

何も聞きたくない。

人の気持ちなんて
結局分からないのだから。


だけど私は

―今、彼と同じことを考えている。





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