私、不良です




「どこ行ってたんだよ」


屋上に繋がるドアを開けると
スキンヘッドが出迎えてくれた。

「ちょっと…」

私は指定の位置に座る。

「里帰り」

「ふーん」

興味なさそうに缶ジュースを飲み
それを私に差し出した。

「飲むか?」

よく見るとそれは麦酒であった。

「未成年は禁止」

「お前、不良だろ」

私は法律に優しい不良だ。
お前みたいな不良と違う。

「まぁ、これでも
俺も法律違反はしてないし」

スキンヘッドは鼻を高くして麦酒を飲む。
どういうこと!?とスキンヘッドに
顔を向けると彼は自慢するように言った。

「俺、二十歳」

驚愕する私に彼はピースをする。

「不法侵入!」

「人聞き悪いな」

留年って事か…。

「俺の弟がちょうど
お前と同い年」

「つまりあんたとも
同い年じゃない」

「そうだな」

彼はなぜかはにかむ。

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