私、不良です
*敵わないこと
黙々と私たちは折り紙を折り続ける。
「こんなんでいいのか?」
スキンが自分で作った鶴を見せる。
裏地の白い部分がまるで
模様のように見える。
くちばしなんて丸くなっている。
「さっきより良くなった」
私はわたしなりの褒め言葉を捧げる。
だが、しかし
「へたくそ」
アリスの言葉でスキンの機嫌を
損ねてしまう。
なぜ私たちが鶴を作っているのか
それは昨日のスキンのあの言葉が発端。
「オリ、千羽鶴、作れるか?」
あれから私たちは屋上で
鶴を折り続けている。
理由を聞いても返答はない。
私は特にやる事がなかったので
暇つぶし程度に出来ていいのだが
なんだかアリスまで巻き込んで申し訳ない。
そう言うと「私は先輩の舎弟ですから」と
使命を告げるように言った。