夢デアエタラ
【螢ー20】


「レイカ……

今日は
お前の好きな花
買ってきたぞ」







1人でそう呟き、
螢は腰に手をやった。









「そうそう!
今日またケンカに
勝ったんだ!

お前にも
見せたかったな~
俺様の強さを!」








普通に人と話すように、
螢は何度も何度も
墓石相手に
会話をしていた。





こうして
1人会話すること
1時間。







気付けば
もう夕方近くに
なっていた。







「おっと…もう時間か…

じゃあ
そろそろ行くから

またな」








螢は
一度も手を合わそうと
しない。







それは、
この墓に眠る者が
死んだ事を
否定しているような
雰囲気が感じ取れた
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